February 20, 2006

「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」サイモン シン

暗号ごっこをしたことがある人って多いんじゃないかと思います。

僕も小学生ぐらいの時に、なぜか授業中に友達と暗号文でメッセージをやりとりをした記憶があります。
 
 
遠い記憶ですが、たしかそのときは簡単にひらがな全部に2桁の数字を振ったような。。。
なんであんなことしてたんだろう?w
 
1つの字に対して、1つの対応する文字列が当てられる暗号化の方法を「換字式暗号」というらしく、本書の最初の方にでてきます。
こういった暗号を解くために発達したのが頻度分析。
言語によって良く出てくる文字や組み合わせ、滅多にでない文字というのは、統計的に決まっているので、それを鍵とすれば、解読できてしまいます。

そこで、さらに頻度分析に対応するために・・・と暗号作成者vs暗号解読者の戦いが、続いていきます。

その戦いは決して表舞台に出てくることは無かったけれども、どれだけ歴史を左右してきたか。

さらに暗号に関わった人たちの人間ドラマが見えてきて、もうめちゃんこ面白かったです。


暗号には難しいイメージがあるけど、解説が面白い上にわかりやすいので、頭は使うけどグイグイ読ませてくれます。実際、暗号の解読というのは、先に答えがわかっていれば、理解するのは手に負えないようなもんじゃないってことがわかりました。(その気にさせられてるだけかもしれないけどw)
今ならすっげー難しい暗号作れる気がする!w


というわけで、かなり強烈オススメの一冊ですた。
Amazonのカスタマーレビューって、レビュー数が多くて評価の高いものは、さすがに信頼できる気がします。

February 09, 2006

「奇跡の経営」

僕はあまりビジネス書を読みません。
自分で選ぶとハズレばっかり引いてしまうのです。
もちろん世の中には、良いビジネス書はたくさんあるのはわかるんだけど、どーもハズレひく率が他のカテゴリーに比べて圧倒的に高いので、けっこうトラウマ。

だから最近は人が良いって言ってくれた本しか読みません。
 
 
で、こないだ京都に行ったときに会ったKON氏からオススメしてもらったのがこちら。


奇跡の経営」 リカルド・セムラー

企業の成長のカゲで社員が犠牲になる時代は終わった! 社員のコントロールを一切やめ、急激に業績を伸ばしたセムコ社。 ブラジルで、学生がもっとも就職したい企業No.1という同社は、 辞職率実質“ゼロ”の全世界が注目する驚愕の経営を実践する。
   

 
めっちゃえがった。
  
  
 
どんなことでも、押しつけられて面白いわけがない。
どんな仕事でもキツい場面っていっぱいあるけど、それを楽しめるか楽しめないかは、仕事に対する意識が自発的かどうかで分かれるんだと思います。

その自発性を徹底的に引き出す取り組みをしている会社の話です。
こんなことを実践するだけでも難しいだろうに、結果まで出してる会社が本当にあるなんて、世の中広いです・・・。
 
 
 
 
その昔、とっても尊敬する人に言われたことを思い出しました。
 
何かを面白くないと思ったとき、自分が面白く変えてしまえばいい。
それが無理なら面白いと思えるよう努力しろ。
それでもどうしても無理なこともある。
そのときは面白いところを探せ。
最悪は、何もしないことだ。

と。

なんだか、そんなことを思い出しながら、今の会社を、働いている多くの人に、ここで働いていてよかったなーと思ってもらえるような企業文化を創っていきたいと、熱く思ってしまいました。

良い本でした。KON君ありがとう。

January 05, 2006

荻原浩「神様からひと言」

荻原浩「神様からひと言

大手広告代理店を飛び出し、中堅食品会社へ入社した涼平。 新製品企画会議でトラブルを起こし、リストラ要員の強制収容所と社内でウワサされる「お客様相談室」へ左遷されてしまう。神様であるお客様からのクレーム処理に奔走する凉平、実はプライベートでも半年前に女に逃げられていた。

荻原浩さんの本を読み漁りモードに入ってます。
いやいや、この人の本、面白すぎです。

因縁付けてくるお客さんとか、アホな上司に悩まされるとか、勤め人をやったことのある人なら誰でも体験するであろうところを、うまーく突いてニヤニヤさせてくれます。
あ、僕の勤め人時代は、上司に恵まれてました。いやホント。別部署にはイパーイいましたけ
それにしても、BtoCのクレーム処理って本当にこんなに壮絶なんですかね。こちらは経験無いのでわかんなかったです。(((((;゚Д゚)))))ガクガクブルブル

読んでたのは、風邪にもめげず行ったバーゲン会場です。
入場やレジ待ちの間に読み進めてたのですが、思わず笑いそうになってしまい堪えるのに苦労しました。
この人の本は、3冊目ですが、どうしてもニヤニヤしながら読んでしまいます。
なんつーかツボにはまるんですよね。
といって軽いだけかと思えば、奥に潜むのは「何のために働くのか」という、けっこうずっしりくるテーマだったりします。
明日の記憶」もそうだけど、難しそうなテーマでも軽く扱うのがめちゃウマな作家さん。
かなり僕としては大注目です。

December 05, 2005

「明日の記憶」萩原浩


明日の記憶」萩原浩

急速に物忘れが激しくなった広告代理店の営業部長である佐伯。 会話中、俳優の名前がでてこなかったり、買い物に出かけようと車に乗った瞬間、家の鍵をかけたか不安になったりと、最初は些細な物忘れだったが、症状は日に日に酷くなり、とうとう仕事の約束まですっぽかしてしまう。 意を決して精神科に診断に行くが、そこで告知された診断は若年性アルツハイマーだった。

恐ろしく、悲しく、そしてとっても良い小説でした。

人間関係は記憶がなければ成り立たない。
頼りになると思う気持ちも、腹立たしいと思う気持ちも、すべて記憶があるからこそ持てる感情です。
そして愛しいと思うことも、やっぱり記憶があるから。

積み重ねてきた人生が徐々に欠落していくことへの恐怖を、一人称ながら抑えめの筆致で描かれています。

この本を読んで感じることは一つでした。
当たり前だけど、人間はいつか死ぬと言うこと。
僕だって残された時間は、多くても後50年くらい。
幸せな記憶を積み重ねていける時間が、どれだけ限らない。
もっと毎日を一生懸命に生きていかなければ。
そんな気持ちを新たにさせられる一冊でした。

特に良かったのはこのくだり。思わずページの端を折ってしまいました。

記憶は自分だけのものじゃない。人と分かち合ったり、確かめ合ったりするものでもあり、生きていく上での大切な約束事でもある。(中略)たった一つの記憶の欠落が、社会生活や人間関係をそこなわせてしまうことがあるのだ

その通り。酔っぱらって記憶を無くして「あれ貸してくれるって言ってましたよね」なんて言われてるようでは、信用無くしますよ〜。>自分
 
 
この作家さん、先週読んだ「あの日にドライブ」も、とても面白かったです。
2作続けてキタので、読み漁りモードに入ることにします。
かなり期待できそう。

November 22, 2005

「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」リリー・フランキー


東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
 
僕は、帯や広告に有名人や読者から感想を寄せ書きしてる売り方が、とても嫌いです。
「これはスゴイ!今年の最高傑作です(ぴーこ)」
「こんな感動生まれて初めて(32歳・女 OL)」
「号泣しますた(45歳・男 2ちゃんねら)」
なんてのが書かれてると、
「うっせー!商魂丸出しでゴチャゴチャ書くんじゃねー!」
と思ってしまうのですが、この本もご多分に漏れず、帯にぎっしりそういうのが並んでます。

あ〜、やだやだ。
純愛・感動の押し売りイラネ(゚д゚)

こんな感じで敬遠してたんですが、あんまりにも周りの人が良いと言うのと、僕が昔住んでいた小倉や若松が出てくるよってことなので、軽く読めそうだしと借りて読んでみたかわけです。

この話は、かつて(中略)上京し、弾き飛ばされ故郷に戻っていったボクの父親と、同じようにやって来て、帰る場所を失してしまったボクと、そして、一度もそんな幻想を抱いたこともなかったのに東京に連れて来られて、戻ることも、帰ることもできず、東京タワーの麓で眠りについた、ボクの母親のちいさな話です。

だああああ(T_T)

これは反則だって、反則。ぴーっ。 
  
 
普段まるまるっと忘れてますが、さすがにこれを読むと両親のことを考えました。
とはいえ、うちのオカンは変人で、こんな立派じゃないですが。
あ、オトンがヤクザっぽいのは一緒かw

我が家の両親は、ここ最近何度か病気してたものの今のところピンピンしてるだけに、いつかは必ずこの世から居なくなるなんてうまく想像できないのですが、これだけ親不孝三昧を働いていて、今逝かれたらめっちゃ困ります。後悔しきれない気がします。

12月・1月は両親の誕生日です。
たまには親孝行して驚かせてやらんとなーと本気で考えてしまいました。
 
 
 
100点満点の名作!と言いたいところですが、帯がキモいので99点にしときますw
いやいや、ほんと未読の人は是非どうぞ。

October 24, 2005

サンクチュアリ

ひさしぶりにマンガ喫茶でマンガ漬けになってみました。

面白いよと知り合いに薦められて、手にとって読んでみたのはコレ。


サンクチュアリ

カンボジアの内戦で両親を殺され、命からがら逃げ出して生き延びた二人の日本人の子供は、帰国後に腐った目をした日本人をみて、国の行く末に大きな危機感を抱く。 高校生になった二人は「俺達で日本を変えよう」という目標を掲げ、ジャンケンで表の道と裏の道を決め、二手に分かれてそれぞれ日本のトップを目指す。 高校を中退して極道の世界に入った北条と、東大に進んで政治家を目指す浅見。 命を懸けて目標に邁進する二人に、数々の苦境が襲いかかる。


熱い。暑苦しいくらい熱い。
劇画チックな絵も暑苦しさを増幅させているんですが、まあとにかく思想が熱いです。

90年代の作品なのですが、物事の本質はあまり変わってないので、ちょっと置き換えたら今でも十分通用しますね。

話のありえなさは「島耕作」以上ですが(それってものすごいあり得ない度ってことか!)、それでもやっぱり夢中になって読み切ってしまい、ちょっと熱くなってしまって、うお、俺も仕事するべ!ってなっちゃうあたり、やっぱり男ってば単純なわけですね。はい。

まあ、読み終わった頃には夜中だったので、帰って寝ただけですが(・∀・)

October 18, 2005

「税の負担はどうなるか」石弘光


税の負担はどうなるか」石弘光

源泉徴収というのは、本当にうまくできている制度だと思います。
新卒で会社員になってしまうと、ひかれてる状態が最初から当たり前なので、ビックリする金額をお国にもっていかれてるっていうのに、あまり関心を持たないままにスルー、みたいな。
僕がそんな感じでした。

んで、やっぱり今の会社になって小さいうちってのは社会保険なんてはらってたらツブれるがな、医療保険も病気しないからいらねーよ、風邪なんて寝てりゃ治るねん、みたいな時期が、まあどこでもあると思いますが、僕らにもやっぱりありまして、そこからそんなこといってられないから全加入で満額納入ってなると、おい、ちょ、おまいら、なにこれ、んでこんなに高いんよおqあwせdrftgyふじこlp
、と改めて思うわけでございます。

よーするに税金高いんじゃ! 
 
ということで読んでみたのが本書。

まずはいきなり序文で、増税は不可避ときました。あれ?

将来の名目成長率の見通し(せいぜい二ないし二・五%)と、税収の所得弾性値(現在では一・一程度)を前提とすれば(中略)<この増加額は国の一般会計で一兆数千億円程度に過ぎない。この一例からも容易にわかるように、景気回復−税収の自然増だけでは問題の解決に程遠い。

1兆数千億円。。。

2003年の一般会計予算、歳入81.8兆円似たいし税収が41.8兆円。
国・地方の長期債務残高の規模は719兆円。

焼け石に水やん。
 
 
そして、こんな借金漬けの中でも、まずいことに高齢化社会はやってくるため、医療費や年金など財政需要は増す一方であると続きます。

2001年度の国・地方の総歳出177兆円は、このままの制度を維持すれば2025年には360兆円程度になると推定されている。

  ・・・・・。         オワタ?(・∀・)         よーするに、税金が全然足りないし、これからもっと足りないんだよと言ってます。

やっぱそうか・・・。そうだろうなとはうすうす思ってましたが・・・。

そして、相続税やら法人税や所得税など、過去の景気対策などで今はいびつになってしまっている税制を是正して、もっと幅広く税金を集めることにならざるを得ない、そしてそれだけではやっぱりぜーんぜーん足りないので、消費税の引き上げは不可避であろうというふうに展開していきます。

うっせー!(逆ギレ)
いくら論理立てて説明されても高いもんは高いねん!ゴルァ(゚д゚)

よっしゃ、こうなったら将来は海外逃亡や〜。
 
 
・・・と、安直な発想に至りそうになったところを5章で先制パンチも食らいました。

(諸外国と比較して)統計データで見る限り、日本における税負担の重さを検証するのは難しい。2002年度の国民所得に対する所得税・住民税の比率を取ってみると、日本は6.8%と一桁であるのに、カナダ20.9%、イタリア15.8%、アメリカ14.2%(中略)このような実態から見る限り、日本のサラリーマンの税負担が特に重く、勤労意欲を著しく阻害しているとも思えない

(日本の消費税率5%は)国際的に観てあまりにも低すぎる。先進国の中では最低であり、台湾、シンガポール並みに過ぎない

    (ノ≧∇≦)ノ ミ ┸┸ ムキー!! わかった。わかりました。 もっと税金は増えるってことですね。そうですか。そうですか。   まあ、日本が倒産状態になったらそれこそ困るし、社会保障削りまくって治安の悪い世の中になっても困ります。

こうやって納得する説明をされると、もう仕方ないという気持ちになるんですよね。

でも、僕だけではなく日本人の重税感の源は、公務員の無駄遣いがそこかしこで常態化してるのが伝わってくるからでしょう。
そこら中で無駄遣いしまくってる予算消化の公共事業とか止めろって思うし、居眠りしてるしたり昼間からゴルフしてる外郭団体のエライさんとかいっぱいいる。

そのへん、なんとかしてから増税してくれー。ほんまに。(`・ω・´)
というわけで、なかなか興味深い一冊でした。
ぜんぜん知識無かったので良い勉強になりました。

September 27, 2005

川端さんblog発見!

僕が今、最もお気に入りの作家さん、川端裕人さんのblogを発見しました。
ココ

なんだかblogだと、とっても身近な気がします。
丁寧にコメント返されてるようなので書き込んでみようかなとか、いっそのこと新刊出てるので、読んだら感想をトラックバック送ってみようかなとか、なんて、神をも恐れぬ行為を計画中です。本当に『全力少年』聴きながら読んでみようかな。うーん。どきどき。
 
 
そういえば十数年前までは、出版された以外の作家さんの文章を読む機会なんてなかったんだよね。やっぱネットってすごい。

September 19, 2005

「東京奇譚集」村上春樹


東京奇譚集」 村上春樹

きたきたきたー。

村上春樹の短編集買ってきました。

2ページ目で、早速春樹節にくらくらっときます。

「私にも似た体験がありました」という具合に話題が発展してもいかない。まるで誤った水路に導かれた用水のように、僕の持ち出した話題は名も知れぬ砂地に吸い込まれてしまう。短い沈黙がある。それからほかの誰かがぜんぜん違う話題を持ち出す。

かっこえ〜。

話題が誤った水路に導かれた用水って!はぁ〜。うっとり。
コレを他の人がやると、キザで腹立たしいのだけど、やっぱ本家はクールな感じですよ。

というわけで、早速読了。
イイ!(・∀・)

描かれている世界が単純にカッコよくって、読み終わった後に訪れる寂しさやムフフ感がたまらんのです。
(;´Д`)ハァハァ
 
 
ちなみに読んでた場所も良かったです。
靱公園横の178's cafeと言うところ。
このカフェ、広々としていて、靱公園の緑をうまく取り入れているせいか、中にいると大阪にいるってことを忘れてしまえます。
ゆっくりと本を読むにはオススメ。
京町堀あたりには感じの良いカフェがちょくちょくあります。
ちょっと自転車で距離があるのだけど。やれやれw

August 16, 2005

「博士の愛した数式」 小川洋子


博士の愛した数式」 小川洋子

家政婦として働く「私」は、ある春の日、年老いた元大学教師の家に派遣される。彼は優秀な数学者であったが、17年前に交通事故に遭い、それ以来、80分しか記憶を維持することができなくなったという。数字にしか興味を示さない彼とのコミュニケーションは、困難をきわめるものだった。しかし「私」の10歳になる息子との出会いをきっかけに、そのぎこちない関係に変化が訪れる。彼は、息子を笑顔で抱きしめると「ルート」と名づけ、「私」たちもいつしか彼を「博士」と呼ぶようになる。

ちょっと前に借りていて、やっと読むことができた本書。
ほのぼのとした良いお話でした。
ウイイレという勝負の世界に身を投じ、殺伐としていた頭には、かなり良い心の清涼剤になりましたw

文章がとっても幻想的。
なんだか夢の中のお話みたい。
あれー、この感覚はどっかでも味わったなーと思ったら、そうだ「センセイの鞄」だ。
「さあ、ここで泣け!」
みたいな押しつけがましさがなくて、話が淡々と進むのだけど、じわーっと染みてくる感じも共通してる印象です。

いやあ、優しい気持ちになれる、本当に良い本でした。
 
 
個人的には、首位争いをしていた阪神タイガースが出てくるのが、とっても懐かしいです。
亀山や湯舟あたりの時代で。
あの当時の大阪の興奮っていったらすごかったからなー。
この小説では、舞台として岡山や倉敷あたりを臭わせる記述があるけど、あのあたりも同じように盛り上がってたんかなーと思ってみたり。
それにひきかえ今年は首位争いをしてるというのに、この冷静っぷりはどーしたんだろうね。

August 06, 2005

「半島を出よ」村上龍


半島を出よ

2010年。北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟。

村上龍は、あまり読んだことがなくて、
「69」「長崎オランダ村」「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」くらいかな。
(どれもおもしろかった!)
これらは全部、短くてテンポの良い話だったので、いったい村上龍の長編ってどんなのなんだろうという興味もありまして、手に取ったのが3週間前。
 
 
や、やっと読み終わったぁ〜。

忙しかったのもあるけど、こんなに手こずった本は久しぶりです。

なんせ長い!
上下巻あって400字詰め原稿用紙で1650枚。
最近薄い本ばっかり読んでたから、耐性がなくなっているのかも。
それだけじゃなくってこの本、細部を書き込み過ぎているので、途中でダレるのです。
僕は長編でも面白いときは朝までかかってでも一気に読んでしまうのだけど、コイツに関してはそうもいきませんでした。終盤だけはテンポが良いのですが、どうも書き込む部分、端折る部分の配分がちぐはぐな印象。
とはいっても、これだけの大家と勢いのある出版社が組んでいて、そのくらいわかってないはずない。エンターテインメント性を犠牲にしても、伝えたい何かがあったのかな。
 
  
と、ちょっと批評っぽい口調になってしまいましたが、話はめちゃくちゃ面白いです。
上下巻4000円払っても、それだけの価値はあると思います。

この本で書かれている5年後の日本は、ほんと悲惨。
財政は破綻し、国際社会からはバカにされ、国民はインフレで苦しみまくり。
もちろん最悪のシナリオだとは思いますが、別に現実なってもおかしくもなんともない。
日本にせよ北朝鮮にせよ、国の舵取りがどれだけ国民の人生を左右するかってことですね。

個人的にも、よく知ってる福岡が舞台だったので、楽しめますた。
満足です(^^)

July 13, 2005

「子どもが減って何が悪いか!」赤川学


子どもが減って何が悪いか!

少子高齢化社会の行く末については興味を持っているので、手に取ってみた本書。

女性の勤労と子育ての両立を支援する「男女共同参画社会の推進」が、統計上では実は全く少子化解消には貢献しないことを明らかにしたうえで、「結婚するしない、子供を産む産まないという選択で、何か得をしたり、批判されたりする社会は間違っている」という主張を展開しています。

興味深い部分としては「男女共同参画社会」を提唱する人たちが、いかに自分たちに都合の良いデータだけを扱っているかを、統計学的アプローチから証明する部分でした。
そりゃ都合のいいデータだけ抜き出せば、都合の良い結論を導けるよね、みたいな。
同じような手法は広告などのビジネスシーンでも多用されています。
もっともらしい人が、それらしいデータをつけて何か言っているからといって、安易に盲信するのではなく「そもそもそのデータは本当に正しいのか」を常に意識せよという筆者の主張は、生活のいかなる場面でも役に立つはずです。

僕も単純に
「少子化→国力低下→マズー( ゚Д゚)」
とステレオタイプに思っているフシがあっただけに
「少子化なんて都市化の進んだ近代社会では防ぎようがないんだよ」的なスタンスは目からウロコ。
確かにドイツやイギリスのGDPと国際社会での存在感を勘案すると、そう安直に悲観することは無いのかという気もします。
ただ、ではその少子高齢化社会を前提としたときに、どういう社会が望ましいのかという点は、割かれているページも少なく、尻すぼみな印象がしました。このあたりは新書だからしかたないのかな。

そのあたりに狙いを付けて、関連書籍を数冊読み込んでみようかなあと思いましたとさ。

June 14, 2005

「センセイの鞄」川上弘美

本との出会いって不思議だなーと思います。
同じ本でも手に取るか取らないかは、その時の気分次第。
他の日だったら見向きもしなかったような本が、とっても良い本だったとき、なんだか縁みたいなものを感じます。

この本はそんな本でした。


川上弘美「センセイの鞄

38歳のツキコは、既に70代となった高校時代の国語のセンセイに、馴染みの居酒屋で再会する。友情に似たほのかな好意はやがて、もどかしく切ない恋へと発展し…

今の自分の境遇からはあまりにも遠い設定です。
センセイでもなければ老人でもないしw
恋愛小説って、自分の境遇とかけ離れていると、どうしても感情移入が弱くなりがち。
しかも最近の純愛ブームに、けっこう辟易してる僕です。
こんな、いかにも「ほれ、純愛食え!」みたいなあらすじの本を、ここ最近は本当に敬遠していたので、なぜコレを買ってしまったのかは、我ながら不思議です。

でもやっぱり食わず嫌いは良くないですね。良かった。

この二人の呑んだくれっぷりがいいなあ〜と思いました。
センセイもツキコさんも呑みっぱなし。
物語的なクライマックスがあるわけでもないんだけど、うまいモノたべて、酒呑んで、のほほんと話をして、その空気が心地良くって、親密になっていく。
この課程の描き方がとっても自然な感じ。
「そういう心地良さは、たしかに年齢を超えるよなー」
って素直に思わせられてしまうあたりが、筆力なんでしょうね。
だからって妙にリアルなわけでもなくって、ファンタジーのようなふわふわした印象も残るのは文体のせい?
不思議な印象が心地良い小説だなーと思いました。


ちなみに映画化されてるらしく、小泉今日子、柄本明だとか。。。
うーん。ちょっとパスかなあ。
原作のイメージだけで十分のような・・・。

May 24, 2005

「ダイスをころがせ! 」 真保裕一

ダイスをころがせ!

事業失敗の責任を押しつけられ嫌気がさし、商社を辞した駒井健一郎34歳。 妻と子に出て行かれ、どん底の日々を過ごしていたある日、高校時代のライバルであり恋敵でもあった天知達彦が現れ、驚くべきことを口にする。 「次の衆院選に立候補する。共に戦ってくれ」 第二の人生を拓くため、彼らはコネも金も無く、完全無党派で選挙に挑む。 理解のない妻、敵陣営の妨害、様々な難問が立ちはだかるが。

ただの選挙話じゃないです。
話の作り方がウマー(゚д゚)。

天知の祖父の収賄疑惑を追ったり、自分が職を辞すきっかけになった老人ホームの誘致問題に絡む不正な土地取引が現れるなど、ミステリーな味付けがあって、ぐいぐい引っ張られるし、理解のない妻との葛藤の中で選挙戦を戦う姿は、家族と仕事のあり方をあらためて考えさせてくれます。
高校時代に天知と取り合った女性に対する、主人公のウダウダ具合にも共感。

そんなエンターテインメント的要素をちりばめつつ、押しつけがましくないように、日本の政党体制を批判。

いやー、面白かった。
 
 
30代中盤。仕事に人生に、色々と迷う時期なのでしょうかね。

僕もなんだかんだ言っても、この主人公の年代は、もう5年後。

いったいその頃、どんな暮らしをしているんでしょうねえ・・・、なんて思ったりしました。

May 09, 2005

GW読書

とりあえず個人的な読書メモとして。

恩田陸2冊。

三月は深き紅の淵を
うーん。意図が全くわからん。うまくオチなかっただけに見える。
僕がミステリーを読み慣れてないのが悪いのか?

ネバーランド
君たちは少女漫画の主人公かと。

2冊続けてハズれ感たっぷりで、もう恩田陸を読む気がしなくなりました。
手に取ったのが、たまたま合わなかっただけなのかなあ。
まあ、まだ3冊だし、もうちょっと読んでみるかな。
 
 
 
むかしの味
とても久しぶりに池波正太郎を読みました。
池波センセの書く食べ物の話は、とってもおいしそう。
僕が、うまいモノにとても情熱を注ぐのも、昔から読み漁ってた影響なのかもしれません。
この本は、池波正太郎が思い出と共に、各地の名店を語るというもの。
そうそう。お店で食事するってのは、単に食べ物を味わうだけじゃなくて、一緒に居た人と話した内容や、そのとき自分のおかれている状況も一緒にすり込まれるんだよね。
エッセイ全般に言えるけど、個人的な内容を、関係ない人が読んでも楽しめる内容にしてしまうんだから、やっぱ作家ってすごいなあ。
  
 
 
悪について」(岩波新書) 中島 義道
倫理系の本、久しぶり。


われわれは、たえず「善くあろう」と欲しながら、(中略)自分のうちにはびこる悪に両肩を落とし、自分自身に有罪宣告を下し、そして「なぜだ?」と問い続けるほかはない。
なぜなら、このことを全身で受け止めて悩み苦しむこと、それがとりもなおさず「善く生きること」なのであるから。

 
 
 
aiko bon」 aiko
こんなのまで買っちゃって、僕は病気ですね(´・ω・`)
生い立ちとかあんまり興味がないんだけど、aikoのオススメ名盤や、自曲の解説は楽しかった。
超絶(;´Д`)ハアハアする写真がイパーイ。
特にヤバいのはP189の左上。P284〜P287。悶え死ねる。
明らかに僕の趣味とズレてるのに、ほんとかわいいんだよなあ。

April 30, 2005

恩田陸「夜のピクニック」


恩田陸「夜のピクニック

あの一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった、とあたしは思う。 夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。 三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。 気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る――。

良い本。
書店員がもっと売りたい本屋さん大賞受賞ってのはダテじゃないです。
話題になると手に取る気がしない天の邪鬼な僕ですが、これは読んで良かったなー。
 
 
高校生が純朴で頭が良すぎるきもしますが、公立高校の進学校ってこんなかんじなんかな?
だから嘘くさいような、綺麗すぎるような、と感じる人も多いと思います。

僕も実はそう思うんですけど、
「こういうピュアな部分も持っていたんだよなあ」
と思い出せるところが、この本の良いトコと割り切れば、全然これで問題ないっす。
 
逆に、高3あたりで読んでも、僕なら「何をきれい事ゆーとんねん」としか思わなかったでしょう。
若い人に読んで欲しいって声もよくあるようだけど。
 
  
そういえば立命にも、全体行事ではないんですが、衣笠から草津までを夜通し歩く「ナイトハイク」という意味不明の行事がありました。
あれだって、この本みたく昼から80kmもあるかないけど、たいがいしんどかった。
なにより辛いのは、必死で夜通し歩いたのに、草津から京都に戻るのは電車で30分という現実。
圧倒的な文明の利器の前には、人間なんていかに無力かを感じることができますw
 
 
 
恩田陸って、これが2冊目なんですが、結構いいかも。
このGWで、あと3冊くらいは読んでみようかと思ってます。

April 19, 2005

柴崎友香を読み漁ってみる

週末に「きょうのできごと」の原作者、柴崎友香を纏めて購入してみました。

青空感傷ツアー
ショートカット
フルタイムライフ

僕の本の読み方は、気になる作家を見つけたら、まず打診買いしてみます。
その感触が悪くなかったら、複数まとめ買いして。ハマったら全冊購入するのがパターン。
・・・なんだけど、この作家に、その方法を使ったのは間違いだったなあ。

この人の書く雰囲気は好きなんですが、基本的にクライマックスとかは無いようなので、続けて読むと飽きちゃいました。
きっと、ミステリーやらの狭間に読めば、癒されて良いのでしょう。
そういう作家さんだと思う。

フルタイムライフ」は、本町らへんに勤め出す新社会人OLの1年間の話でした。

主人公がオフィスにあるホッチキスの針はずしを初めて使って「こんな便利なものがあるなんて知らなかった」と言って感動してる場面なんかは、
「あー、そういう感動って、そういえば俺も働きだしたときあったよー!」
と、遠い昔の感動を思い出しました。
僕は、パンチにアジャスターがついてるのも、感動した気がする。
「真ん中で折って印つけてからパンチせんでええんやー!」
って。
机の上に印刷した資料を、順番に並べて置いて、何人もの人が1部づつ取りながらぐるぐる回って会議冊子作ったりするのも感動したなあ。社会人っぽい!!(・∀・)とか。

そういえば最近、その手の感動が少ない。
感性が鈍ってんだよなー、きっと。(´・ω・`)
 
 
さて今週は恩田陸に初挑戦なり。おもろいかな。どーかな。

April 16, 2005

鷺沢萠一周忌

mixiを見ていて思い出したのですが、11日は鷺沢さんの一周忌でした。

去年に訃報を聞いたときは、本当にショックだったなあ。

あれから、もう一年も経つのですね。。。
 

 
「作家になりたい」というのは、本好きならかなりの割合で一度は抱く憧れだと思います。
ご多分に漏れず、僕も高校生の頃に、そう思ったことがありまして、僕の場合、その憧れは鷺沢萠と池波正太郎の二人に頂きました。(よく考えるとヘンな組み合わせだなあ)

思えば、ふにゃふにゃ遊んでばっかりだったのに、小論文と英語なんていう無謀な倍率の胡散臭い入試をかいくぐって、無事に大学に受かったのも、高校の時に鷺沢さんの文章を何度も何度も読んで、たまにはちょっとマネしたりしていたおかげかもしれません。ありがたや。

そんな風に彼女の文章は、昔からいつも僕の憧れであり、きっとこれからもお手本であり続けるのだろうなあと思います。
いつか彼女のように美しい日本語を綴れるようになりたいものです。本当に。
って、佐藤竹善の声で歌いたいと思うくらい、叶わない憧れなんでしょうけど(笑)

鷺沢さん、どうか安らかに。

はあ、もう新刊でないんだと、またも実感。
しょぼーん。

April 05, 2005

藤田晋「渋谷ではたらく社長の告白」

I田に借りたので、読んでみました。


「渋谷ではたらく社長の告白」藤田晋

著者はサイバーエージェント社(CA社)の社長であり、奥菜恵のダンナさん。
最年少での上場記録保持者でもあります。
結構、blogもマメに更新されていて、気負って無い感も良い感じで、僕の定期巡回コースに入ってます。
そんな藤田さんの、起業から今までを振り返った書。

CAさんは、取引先って事情もあり、面白くなかったら触れないでおこうと思ったんだけど、いやいや面白かったです。
僕がこういう仕事をしているから、面白く感じないわけはないのだけど、そうじゃない人でも、十分に面白いと思います。
大体2時間くらいで読めました。
blog以上に、多くの人に読んでもらえるように、気軽に読める文体や、話の展開に、そうとう気をつかってはるなー、と思います。
さすが営業の鬼です。

特に面白かったのは、ネットバブルの盛り上がりから崩壊までのくだり。スリル満点です。
ネットバブルって本当に凄かったんですね。
当時は九州で鉄に囲まれていたけど、それでもその熱は伝わってきてたもんなー。
 
 
しかし、この本を読んでると、
「ベンチャーってのは、会社に寝袋で寝て、休みも12時間働くのが当たり前だ」
って認識されそうですね。(>_<)
かなり藤田さんは、ハードワーク信奉のご様子。
もちろん一理あるけど、僕はそのあたりの考え方については、堀江さんのように、きっちり休んで集中することを理想としたいかな。なかなか難しいけど。
もちろん、どちらが正しいとかではなくて、理想とするスタイルの差だと思います。

March 17, 2005

「黒川温泉 観光経営講座」後藤哲也、松田忠徳

週末読んだ本のうちの一冊。

「黒川温泉 観光経営講座」後藤哲也、松田忠徳

温泉教授キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
新明館キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

まさに温泉界巨頭の対談集!

温泉教授というのは松田忠徳という人で、札幌国際大学観光学部で温泉文化論を教えてられる、文字通り温泉教授です。
日本で早くから循環風呂のエセ温泉を否定し、源泉かけ流しの大切さを説いています。

僕も温泉はかなり好きです。少なくても300湯くらいは行ってます。
でも、そのうちのかなりの数が循環風呂です。とくに関西周辺はヒドい。
プールの臭いのする露天風呂なんて、温水プールって言うんだよ ゴルァ!!( ゚Д゚)

なんて毒づいてたときに、出会ったのが「温泉教授の温泉ゼミナール

これだよ!と膝を打ったもんです。

それ以来、僕は、かーなり温泉教授の信者です。
松田先生が、政党つくったら、そりゃ迷わず一票いれますよ!ってなくらい。
大政浴賛会。なんちゃって。
もちろん新聞出てもとりますよー。
聖湯新聞。なんちゃって。
い、いかん、悪のりした。ごめんなさい (・∀・;)
 
 
そして、後藤さんというのは、熊本の黒川温泉を全国区の人気にした立役者。
僕は、流行ると飽きるという天の邪鬼な性格ですが、どんなに人気になっても黒川はやっぱり素晴らしくって、何度も通いました。宿泊4回。日帰りは5,6回くらいかなー。
湯も良いですが、なんと言っても街全体の、統一感ある「何もないっぷり」が、本当に素晴らしい。
癒されるとはこのことです。
ちなみに黒川の中でも、僕が特に素晴らしいと思う「山みず木」も、後藤さんのプロデュース。

なんだか話があっちこっち行きますが、僕が黒川の露天風呂でお気に入りなのは「いこい旅館」「山みず木」「黒川荘」ですね。
ふもと旅館」というところも、設備がちょっと古いためか、そんなに人気がないけど、中から鍵をしめるだけで貸し切りになる宿泊客専用の別館の内湯が8つもあって、料理もおいしいし、泊まるならかなり穴場でウマー(゚д゚)
ちなみに後藤さんの新明館の風呂は、僕としては(・ω・)??


とまあ、温泉好きには、有名なお二人なのですが、そりゃこの二人が出した本とあれば、読まないわけにはいきません。
  
なんだか本の感想に入る前に、盛り上がりきっちゃいましたが、結論からすると、良い本でした。

全体としては2部構成。
1章、2章で黒川温泉の人気の理由と、それを作った後藤さんについての話。
3章、4章で巨頭二人がかたる日本の温泉地事情。
そして5章で、全体をふまえて、これからの黒川がどうあるべきかの議論。

1,2章は何度か聞いたことがあったので、やっぱり3,4章が面白かったです。
名指しで各地を批判するする(笑)
「湯布院はもうダメですね、あそこは観光地であって温泉地では無い」とか。
公共温泉施設もボロカスのメタクソです。
一番興味深かったのは、経営的にも優れた黒川モデルが、どのような顧客リサーチをもとに作られたのかと言う部分。
顧客第一の発想法だけでなく、競合のリサーチが徹底してるなあ、という印象です。
まさに題名通り経営論。


最後ですが、一番「そうだよ!」と思った一文をご紹介。


良い豆腐屋さんを育て上げるのは、豆腐を食べる消費者です。
当然、良い温泉を育てるのも、入浴者の意識次第です。

まったくです。
正しい温泉観(と僕は思います。巷で言われるように偏った一面はあるにせよ)を養うためにも、「温泉教授の温泉ゼミナール」は、本当に一人でも多くの人に読んで欲しい一冊です。

March 08, 2005

「京都名庭を歩く」光文社新書

「京都名庭を歩く」光文社新書

とっても面白かったです。

僕はお寺好きだけど、意味もわからずいいなー、と思ってみてるだけだったので。

例えば銀閣寺で山を登っていく事の意味。
曼殊院の手すりの高さと遠近法の関係。
龍安寺の石庭の作者の謎。
二条城が北に対して垂直を保てていない理由。

全部行ったことあるのに、知らないことだらけ。
いやいや、こういうのをわかっていくと、さらに面白いに決まってます。

日本史の知識があった方が良いと思うけど、高校日本史がおぼろげに残ってるぐらいで十分。


やー、秋は、さっぱり寺巡りできなかったので、春はお花でも観に行こう♪
願わくは、桜の下にて、春呑まん。
あれ、またお酒?

というわけで、昔から行きたい行きたいと思って止まない「桂離宮
インターネットで予約できるようになってるのを、この本で初めて知って、早速アクセスしてみたものの、春の土曜日はもちろんいっぱいでした。
次に、土曜日開くのは秋か・・・。

本当に縁がない。行きたいよ〜。むずむず。

January 08, 2005

11,12月読書

珍しくビジネス書。人から借りた2冊。

スリッパの法則
・人の話を聞かない社長には投資しない
・社長室の豪華さとその会社の成長性は反比例する
・スリッパに履きかえる会社に投資しても儲からない
・極端に美人の受付嬢がいる会社には問題がある
など、「カリスマ・ファンドマネージャー」と呼ばれた著者の「伸びる会社の見分け方」みたいな本。
法則を導く論理が、破綻しすぎです。
これじゃ占星術で株価がわかるって言ってるのと一緒だ。
まあ新幹線のおともにビールのみながら、とかなら良いかもしれないかなー。
まさに売るために書かれた本という印象。
だから買いたくなるような深みがない。
星一つ。

魅せる技術
男もビジネスシーンではおしゃれしなさい、と。
ハイ。努力します(ーー;)

それにしてもビジネス書って、何でもかんでも
「何とかの人、何とかでない人」とか
「ナニナニになる何十の法則」みたいな題名が、やたらに多い。
最近は新書までそんなのが多い。
要は人目を惹きたいんだろうけど、あまりにチープだと思わないのだろうか。
 
 
 
去年末、ちょっとはまった作家を3冊。
石田衣良。「池袋ウエストゲートパーク」の人。

アキハバラ@DEEP
重度の吃音症だったり、潔癖症で女性恐怖症だったり、光でフリーズしてしまったりする、それぞれ対人に問題を抱えるオタクたちが主人公。
だけど彼らは、それぞれ人には負けない一芸がある。
そんな彼らが作った会社が「アキハバラ@DEEP」が、画期的なAI機能付きサーチ・エンジン「クルーク」の開発に成功する。
しかしそのソフトは、巨大IT企業(ソフトバンクっぽくて笑える)に盗まれてしまう。
彼らは無事に「クルーク」を取り返すことができるか。オタクのパワーが結集する。

みたいなお話。
初めての石田衣良だったんだけど、すっっっげー面白かったです。
設定自体はありがちかも。
コンピューターが知能を持つなんて、映画でも小説でも昔からあるし、主人公がオタクという設定も、あまり珍しくない。
最近では川端裕人の「The S.O.U.P.」」が、かなり近い設定だった気がする。
で、ストーリーも、斬新なわけでもない。
それでも面白く感じちゃうのは、やっぱり主人公たちの描き方。
読むうちに、いつのまにか応援しちゃってた。
爽やかな読後感。さいこーっす。

というわけで、続けて手に取りました。
波のうえの魔術師

あの銀行を撃ち落とせ!謎の老投資家が選んだ復讐のパートナーはフリーターの“おれ”だった。マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビが挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした「秋のディール」のゆくえは…。

株がわからないと、ちょっと細部がわかりにくい気がする。
でもやったことのある人なら、すんなりと楽しめる。
テンポのいいストーリー展開。
ドラマ、「ビッグマネー!」の原作らしい。

娼年
コールボーイになった大学生の、一夏のお話。
としか書きようがないくらい、淡々としてる。
エンターテインメント性の高い前出の2冊とは、かなり趣が違いました。 
ベッドシーンは多いけど、別に嫌らしくない。



その他。(めんどくさくなっちゃったw)
7月24日通り」 吉田修一

センス・オブ・プログラミング!」 前橋和弥
 

October 29, 2004

9,10月読書

あ、あかん。ぜんぜん読んでへん。
とくに10月は。ったく。

引き続き追悼。野沢尚。

破線のマリス
報道被害は今も昔も同じなのかも。Amazon式に言えば★★★☆☆くらいか。
筋はおもしろいんだけど、主人公と後半のストーリーにどうしても感情移入できないなー。

龍時01-02
サッカーって、小説にしにくそうなものだけど、野沢さんの筆力ではそんなことはカンケーないのでしょう。サッカーを見る視点がちょっと変わったかもしれません。でも、サッカー好きやサッカー経験者がこの本を読んだら、どう思うのか聞いてみたい。

深紅
とりあえず、いったんこれで野沢さん巡り終了。
犯罪被害者の視点を描く、息の詰まるような小説。
ミステリーとして読めば後半が尻すぼみっぽく感じるけど、人間愛的なところを訴えたかった書と解釈すればすばらしい。
でもちえこさんもいってたけど、確かにこの人のミステリーは後半ダレるの多いね。「恋人よ」とか、ほんとつらかった。

パレード」  吉田修一

吉田修一といえば、連ドラにもなった「東京湾景」の作者。読んでないけど。
でもって、こないだの芥川賞受賞作家。
最近の注目の作家さんと言うことで、初めて手に取ってみたのがコレ。
ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル。
読み始めは宮本輝の「私たちが好きだったこと」に似てるなあと思ったのに、全然ちがう。
こわい。これはこわいよ〜。

September 21, 2004

「アフターダーク」村上春樹

村上春樹の新刊「アフターダーク」をやっと読みました。

刊行後間もないというのに、すでにAmazonのレビューが147件!
日本中のハルキストはご健在。
賛否両論あるようですが、これはいつものことですね。


僕は最近、村上春樹作品を読むときには、この人の作品独特の、仕掛けやメタファーを、なるべく意識しないでおこうと心がけています。
深層を読み解こうとすると、どうしても読みながら距離を置いてしまうので。
だから何も考えず、物語の中にどっぷりと浸るようにしています。

そして、登場人物の会話や、描かれる世界のセンスの良さを堪能し、読後に訪れる、漠然とした喪失感や寂寥感を、ただしみじみと噛みしめる。
それが僕に一番しっくりくる村上春樹の読み方だと思ったのです。

そう言った意味では、この作品は、僕が村上春樹作品に求めているものは満たしています。
今までと雰囲気が違っても、やっぱりハルキワールドはカッコエエなあ、と。

ただ、代表作になるような作品というより、新たな境地へと動き出す、序奏のような作品なのではないかと思いました。だから次の作品が待ち遠しい。

September 08, 2004

8月読書

やばー、ぜんぜん読書メモしてないです。
このblogは僕の読書記録という役割もありまして、とりあえずですが、8月読んだ本をメモっときます。

7つの習慣
良い本だ。実践できたら、もちろん理想だけど現実には難しい。
理想に近づこうとすることが大切なんだよね。


追悼、野沢尚。

恋愛時代
イイ!(・∀・)

恋人よ(上)(下)
途中まで最高に面白いのに、ラストらへん、まったく受け付けない。

反乱のボヤージュ
野沢尚ってミステリーなイメージだけど、青春ものも相当おもしろい。


恋愛結婚は何をもたらしたか加藤 秀一
ケッコン式に行く前に、こういう本を手に取るってのはどうかと思ったけど、楽しそうだったので。
今の結婚観が築かれたのは、ごく最近のことなのですねー。20へえ。

ふにゅう川端裕人
川端さんって理系っぽい小説ばっかりかと思ってたので、びっくり。

ダ・ヴィンチ・コード(上)(下)」ダン・ブラウン
聖杯伝説って何よ?基礎知識が無さ過ぎて、どこまでが本当で、どこから虚構なのかさっぱりわからなかった。そういうのがわかってれば、きっと面白いんだろうなあ。
ってか2冊3600円は高いよー。

August 21, 2004

沼上 幹 「組織戦略の考え方」

沼上 幹 「組織戦略の考え方


バブル期には絶賛された日本的経営も、いまや全否定の対象とすらなる。だが大切なのは、日本型組織の本質を維持しつつ、腐った組織に堕さないよう、自ら主体的に思考し実践していくことだ。本書は、流行りのカタカナ組織論とは一線を画し、至極常識的な論理をひとつずつ積み上げて、組織設計をめぐる多くの誤解を解き明かす。また、決断できるトップの不在・「キツネ」の跋扈・ルールの複雑怪奇化等の問題を切り口に、組織の腐り方を分析し対処する指針を示す。自ら考え、自ら担うための組織戦略入門。

先日、経営学部で教鞭を執るやまもと先生の部屋から拝借してきた本です。
日本的経営について、色んな視点から切り込んで、経営学で有名な「TOC理論」や「マズローの欲求階層」などを独自の視点で論評してます。

特に「マズローの欲求階層」に関する考察は、面白い。


自己実現という考え方が美しくて、しかも「安上がり」だということである。(中略)各人が勝手に自己実現しようとし続けてくれるので、(中略)金銭的インセンティブとも無煙だから給料を上げる必要もない。

また、表だった差をつけないあたりも、日本的平等主義ともなじみやすいものであるとしています。
しかし、そこで「おいおい、四段階の「承認・尊厳欲求」を忘れてないかい?」と本書では言ってます。
四段階をすっとばして、五段階である『自己実現欲求』に目が行き過ぎだよ、と。
その前に、ちゃんと評価し、承認し、尊厳を満たしてあげなさい。
方法はカネやポストが一般的だが、会社の状況によっては十分に支給できないことがあるだろうし、その場合はコトバでもいいんだよ、ってな内容。
なるほどなー。そうだねー、と激しく納得。

全体的には、裏付ける数字があまり出てこないので、論理的な印象が少し物足りないのだけど、それは新書という性質上仕方ないのでしょう。

「○○って、××といわれてるけど、△△って考え方もあるよねー。」
ってな感じで、それに「あるあるー」っとうなずきながら読めます。

組織論の入門という感じなのですかね、やまもと先生?

August 07, 2004

川端裕人「竜とわれらの時代」

もうしつこいけど、川端裕人の小説が、とにかく面白くて止まらない。
去年も、やまもと先生からオススメされた佐藤賢一にハマって、大量に読み漁ったけど、今年は完全に川端病。もうこーなっちゃうと、読み尽くすまで止まらないのが性です。

というわけで、今回読んだのは川端さんの「竜とわれらの時代

恐竜発掘が趣味の高校生の大地と、その弟の海也は、近くの雑木林で標本採取中に巨大な恐竜の化石が露出している場所を発見する。 恐竜学者になり、必ず自分の手で発掘すると誓った大地は、数年後に、米国の大学で研鑽を積み、少年の頃の夢を叶えるため、調査隊とともに故郷に戻る。 ところが、無事に発掘され、削り出しをまつばかりの数トンの母岩が、仲間と共に忽然と消える。 同じ頃、大地の指導教官であり、古生物学の権威でもあるマクレモア教授は、自室で正体不明のテロ集団に命を狙われていた。

恐竜を軸に話は展開されますが、全く恐竜に詳しくない僕でも十分に楽しめました。
科学信奉と宗教礼賛と国家主義。
複雑に入り組む思惑が紡ぐストーリーは、まさに川端小説です。
ほんま、サイコー。

あー。早く新刊出してくれなきゃ、そろそろ尽きる〜。

July 23, 2004

川端裕人「The S.O.U.P. 」

どんどん川端さん。「The S.O.U.P.

かつて伝説のRPGゲーム「S.O.U.P.」を開発、巨額の富を得た巧。彼はある日、ハッキングに悩む経済産業省の役人・礼子の訪問を受ける。礼子の依頼でハッカーを追う巧が見たのは、変わり果てたゲーム世界だった!(amazon エディタレビューより)

川端さん、(゚Д゚)話ウマー。ほんと素晴らしい。

ヴァーチャルとリアルな世界は重なり合っているんよねーと思わずにはいられない。
よく「現実世界vs仮想世界」なんて対立軸で区切った社会論を目にしますが、この本を読むと、インターネットの世界も、結局はその向こういる人間が作り上げているものなんだよと再認識。
そして、この本も、そういった安易な対立構図に陥らず、あくまでもインターネットも私たちの生きる社会の一部だということを意識し、その秩序のあり方については、常に主体的に考えなければいけない、という主張されているように感じました。
途中で、クラッカーがインターネットを麻痺させてしまい、医療機関や原発施設を危機に追いやる場面がありますが、これはまさに、インターネットという世界に於いてのみ、現実社会ではあり得ないような奇行・悪行をしてしまう人々への警鐘でしょう。
常に、回線の向こう側にいる人間を思い浮かべる想像力を持って、インターネットという世界と対峙していかなければ、せっかく無限の可能性を与えてくれたインターネットも、有害なものになりかねないんよね、なんて、しみじみと考えさせられる一冊でした。

July 20, 2004

川端裕人 「ニコチアナ」

よくわからないけど、川端さんだから買ってみた。「ニコチアナ

世界を揺るがす新種タバコ葉の発見は、南米の魔法の大周期の終わりを意味するのか? 科学と魔術の交錯。「タバコ」という名の「近代」に正面から挑む知的サスペンス。

とアマゾンレビューには書いてます。
ただ、僕の読解力が足りないのか、話の筋もピンとこなければ、何が言いたいのかもよくわからなかったです。
あらすじは、新種のタバコ葉を使って開発した「無煙タバコ」の拡販をしていくとような、でもよくわからない話なんだけど、なんか小説というカテゴリすらも違ような、不思議な小説でした・・・。
もしかしたらタバコ吸う人のほうが、入っていきやすいのかもしれないですね。

本とは全然関係ないですが、僕は結構な嫌煙派です。
自分から選択して煙を浴びる席にいるのは、ぜんぜん気にならないのだけど、朝に「今日も良い天気だなー」なんて息を吸い込んでるときに、前を歩く人がくわえ煙草なんかしてて、その煙を浴びると、思いっきり殺意を覚えます。
ポイ捨てとくわえ煙草を厳罰にするとかって公約するような、面白い政治家とかおらんかねー。
いたら、断トツで投票するのになぁ。

July 14, 2004

川端裕人「夏のロケット」

十分に文章を推敲してから、まともな書評を載せようと思ったものの、そう思ったら全然書けなくって、どんどんblogに書いてない本が溜まってきました。
いかんいかん。
僕の備忘録という本来の役目すら果たさないようでは、本末転倒です。

というわけで、相変わらず、400字書けって言われてるのに埋めきれない小学生の読書感想文みたいになると思うのですが、読書カテゴリー再開。

第一弾。最近、どっぷりハマっている川端裕人。「夏のロケット

星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。過激派のミサイル爆発事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット班の仲間の影に気づく。非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。ライトミステリーの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。

川端さんの小説って、現実にはあり得なさそうな話でも、しっかりと実感を持って読めるのは、きっと取材がしっかりしてるんでしょうね。
しかもその内容を、わかりやすく話の中にちりばめてくれているので、読んでるうちに「ロケットボーイ」になったり「ヘッジファンド」になったり「天才プログラマー」になったりできます。
まあ、僕がその気になりやすいという性質が、多分に影響してるかとは思うのですが。

この本は、さらっと読んでるうちに、いつのまにか小さい頃の夢や、今の自分を考えてしまう、かなりの良書です。働く人へ、夏休みの一冊としてオススメかも。

そういや小さいときは小説家になりたいって言ってたなぁ・・・。(遠い目)

June 16, 2004

「家族狩り」全5作 天童荒太

家族狩り
天童荒太に初挑戦です。

天童荒太といえば、ドラマにもなった「永遠の仔」が有名。
僕は文庫待ちで読んでないのですが。。。

この「家族狩り」は5部作で、2月から毎月1冊ずつ刊行。
なので、全作読むのに5ヶ月かかりました。
でも、1ヶ月空いても、読み出すとすぐに世界に入れるのは、どっぷりとハマれる筋立てのうまさのせいかな。

サスペンスの中に「家族とは何か」を追求しています。
傑作。それは間違いない。でも、めちゃんこ重たいです。
これほど心に重くのしかかるのは、家族や子供に関係する異常事件が次々に起こる、今の世界と重ねてしまうからでしょう。

要するに、「なんだこりゃ?」なんて感想を持てるくらい現実と乖離してれば平和ってことなんだろうけど、妙に「こんな話がどこかでおこってるんじゃない?」とかって思ってしまうのは、やっぱり世間が異常事態。

May 30, 2004

「嫉妬の香り」 辻仁成

辻仁成。元Zoo。じゃない。それは曲名。もしくは「Choo Choo Train」か。
えーっとエコーズ。中山美穂ののダンナさんであり、芥川賞作家でもあるマルチタレントですね。
正直、辻仁成はいけ好かない感じはするけど、この人の小説は面白いので、久しぶりに手に取ってみました。

今回の「嫉妬の香り」は、自分の彼女を、先輩に紹介したら、その先輩と浮気してるんじゃないかと嫉妬に狂う兄さんが主人公。主人公と、その彼女、先輩と、その妻の4人の中で、複雑に織りなされる恋愛模様といった感じでしょうか。常に底流を流れる「香り」が、男女の関係に微妙な影を落としていきます。
昔に本上まなみや川原亜矢子が出てドラマでやってたらしいですね。

えーっと感想ですが、まず主人公、「ニオイ」に興奮しすぎです。ケモノかいな。(^^;)
過去に、恋人に、ちょっとでも疑いの心を持ったことのある人や、特定の香水を嗅ぐと、思い出すような昔の恋人がいる人は、感情移入して読めるんじゃないでしょうか。
というか僕がどちらも当てはまるので、のめり込んで一気によんじゃいました。

ちなみに辻仁成の作品って、そこまで読んだこと無いのだけど、なんだか三島由紀夫を思い出すような、かっこいい文体でした。いつもこんなんだっけかなぁ。

「凛冽の宙」 幸田真音

おおお。読んだ本は、必ず書こうと思っているのに、かなり忘れていた。
というわけで、一冊目。
凛冽の宙」 幸田真音

外資系証券会社で事務をしていた男が、ふとしたきっかけで見初められて日本法人での出世階段を登っていき、ついには日本法人の社長となる。そんなときにかつての不倫相手と結婚した元部下が、ヘッジファンドとして現れ、うんぬん、みたいな筋だった・・・。

国際金融ってかっこいいよね、というくらいの感想。

May 19, 2004

「恋愛写真」 市川拓司

最近本屋で市川拓司 の「いま、会いに行きます」が平積みされているのを、よく見かけます。小学館が「世界の中心で、愛を叫ぶ」の、2匹目のどじょうを狙っているのかな。

で、その「いま、会いに行きます」を、正月に東京へ行ったときに、友達から「これいいよ」と貸してもらったのですが、正直なところ東野圭吾の「秘密」と筋が似ているように思って、どうものめり込めずに、たいした感想も無く読み流してしまいました。

でも文体とか嫌いじゃないなーと思ってたからか、たまたま新刊を見つけたときに購入したのが、この「恋愛写真

「そんなん無いわい」とツッコミをいれそうになる純愛モノでした。
前作同様、現実離れした部分があるのですが、こちらのほうがまだ有り得る気がして、受け入れやすかったです。
こんな歳にもなって、大学生が主人公の純愛モノを読んで「良かった」なんて言うのも、結構恥ずかしいものがあるけど、Amazon風に言うなら★4つ!

まだ2冊しか読んでませんが、リアリティーがあったり無かったりして、不思議な気分になれるのが、この作家さんの特徴なのかもしれませんね。次作も機会があったら読んでみよう。

それにしても僕は書評がヘダだ。_| ̄|○
これじゃ単なる読書メモやもんなー。
せっかくblogに書いてるんだから、もうちょっとマトモに書かないといけないと、ちょいと反省。
久しぶりにダヴィンチでも買ってコツを勉強しよっと。

May 07, 2004

「ウェルカム・ホーム」鷺沢萠

あー、いかん、最近読んだ本を全然書いてなかった。
というわけでまずは、鷺澤さんの最後の作品となった「ウェルカム・ホーム
ちょっと普通じゃない2つの家族を描いた小説です。

僕の中で、近年の鷺沢さんの小説は、「バイバイ」「君はこの国を好きか」以来ちょっと面白くないなーと感じていました。
ワンパターンに感じたことと、少し上の年代を描くようになったためか、どうも共感できなかったのだと思います。それと作品全体に暗さが濃くなってきたことが原因だったでしょうか。
ですので、本作品もあまり期待していなかったのですが、鷺沢さんは無くなる直前に、この「ウェルカム・ホーム」が良くできたと喜んでいたという話も聞きましたので、期待半分不安半分で手に取ってみました。

早速読むと、・・・なんなんこれ!?
めっちゃいいやん。

この作品は、最近の鷺沢さんの作品につきまとっていたような暗さが無くって、どちらかというとニヤニヤしながら読めます。
でも伝えたい「家族ってなに?」という主題がとってもストレートに伝わってくる、そんな作品でした。

もともと鷺沢さんの作品って、小説の純文学な雰囲気と、エッセイの破天荒で面白い雰囲気は、少し別の場所にあったように思うのですが、この作品は双方の良い部分が合わさったような感じがします。
これまでの小説には無いものを感じて、新境地を開いたように感じました。

でももう続きは読めないんですね。
何度も書いて申し訳ないですが、本当に悲しいです。

April 30, 2004

「かもめが翔んだ日」 江副浩正

リクルートという会社を一代で築き上げた江副浩正の自伝。「かもめが翔んだ日
今となっては、独特の企業文化で、多様な人材を輩出し、高収益を続ける憧れの優良企業といったイメージですが、昔は社会的地位の低い扱いしか受けていなかったことが書かれています。
そんな中でも自社の強みや、企業理念をしっかりと持ち、社員に誇りや働く楽しさを与える江副さんの姿にしっかりと感動。
こういう本は「頑張らなきゃ」って思わしてくれるからいいですね〜。

April 20, 2004

「私の話」 鷺沢萠

鷺沢さんが亡くなって、初めて読む作品。
先日「新刊が出たら必ず買っている」なんて書いていたものの、よくよく著作リストをみると、ぽろぽろと漏れがありました。

というわけで、昔読んだ本を読み返す前に、未読の本を買ってきました。
私の話
鷺沢さんの、1992年、1997年、2002年の、それぞれの時代を描いた私小説。
離婚の話や、父親の会社が倒産して経済的に困窮した話、祖母が韓国籍だということを知らずに育っていた話、どれもこれまでの著作で触れたことがある部分ですが、これまで以上にストレートな気持ちをぶつけているように思いました。

これまでのエッセイと同様、この私小説にも、鷺沢さんが、自分の一言一言に気をつかい、人が発する言葉に傷つき怒り感動する様子が記されていて、この人は本当に他者の痛みに敏感で優しい人なんだなあと感じます。
かたや、そういったことを感じない自分の日常を振り返り、反省しきりな気分にさせられました。

でも鷺沢さんの、そんな敏感さが、自ら命を絶たせてしまったのかなー、と考えたりしてしまいます。
自殺した作家の私小説というのは、存命中と同じような感覚で読むことは、きっとできないのだな思いました。

April 17, 2004

「100億稼ぐ仕事術」 堀江貴文

昨日書いた倉木麻衣のblogも提供しているライブドアという会社は、東大卒のカリスマ社長がWeb制作会社から上場を果たしたという、まあ僕らみたいな人間からすれば、まさに憧れの的な会社です。僕もシャレで一株持ってます。
で、最近その人の書いた本を読む機会がありました。

100億稼ぐ仕事術」 堀江貴文
おおお。俺も100億稼ぎたい。

いきなり「1日5000通のメールをさばく」とかって書いてるので、どんな仕事術が飛び出すのかと思いきや、根拠が無い主張が続く、あまり面白みの無い本でした。
まあ堀江さんという人に興味があるなら読んでもいいかと思うけど、仕事術って書くんだから、もう少し主張する内容に科学的な味付けが欲しいなあ。
だって
「1日7時間以上は寝ないといけない。なぜなら私はそうじゃないと能率が落ちるからだ」
みたいな感じが続いてて。。。

だいたい1日5000通もメールは捌けへんやろー。
5秒に1通、読んで捨てても6時間くらいかかるねんで。
フィルタリングでゴミ箱直行メールも1通さばいたことになってるんかなー?

というわけで、面白くなかったんだけど、仕事をするうえでも睡眠と休養が重要だと説く人がいることは、僕も全く同感なので嬉しかったですね。
確かに堀江さんの「社長日記」を読んでいても、休みはしっかりと休んでられますね。
筋トレもしてるし。

あっ、僕も筋トレ行かなくっちゃ。

April 14, 2004

鷺沢萠死去!?

パソコン立ち上げて、IEを開いたら、MY Yahoo!に鷺沢萠さん死去の記事が載っていて、今日は楽しい話しでも書くかなーと思っていたのに、、、、書こうとしていたこともなにも、完全にぶっ飛びました。

鷺沢さんは、中学の終わりに現代文の試験で出会って以来、ずーっと大好きな作家です。
新刊が出たら必ず買っていて、日立金属の内定者研修でも、「ほかの内定者に薦めたい本を1冊選んで発表しなさい」という課題で、僕は迷わず「君はこの国が好きか」を選んだくらい大好きでした。
「海の鳥、空の魚」「バイバイ」「少年たちの終わらない夜」
スタイリッシュ・キッズ」なんて、大学の時に何回読み直したか・・・・。

こんなに早く亡くなってしまうなんてショックが大きすぎます。
もう鷺沢さんの本が読めないなんて、悲しすぎです。

これまで多くの感動をもらったことへの感謝の気持ちとともに、心からご冥福をお祈りします。

はぁ〜。鬱だ〜。

April 12, 2004

エコノミストって。。。

最近、株にも興味がある僕は、「エコノミストは信用できるか?」という本を読んでみました。
著名なエコノミストの、これまでの主張内容を、一貫性という観点から分析して、信用度を判断している本です。竹中平蔵や、野口悠紀雄など、知ってる名前も一杯でした。
内容は。。。
正直難しくて読みこなせないところも多々あったんですが、全体的な話しの流れはわかって、まあまあ楽しめました。

で、そんな折、

経済評論家で早稲田大学大学院教授の植草一秀容疑者(43)が東京都港区のJR品川駅で女子高生のスカートの中をのぞこうとしたとして、都迷惑防止条例違反(迷惑行為)の現行犯で逮捕されていたことが、12日分かった。
警視庁高輪署の調べによると、植草容疑者は8日午後3時ごろ、同駅高輪口の上りエスカレーターで、前に立っていた都立高校の女子生徒(15)のスカートの中を、持っていた手鏡でのぞこうとしたところを、警戒中の警察官に取り押さえられた。(読売新聞)

・・・アホだなー (-_-;)
なんで、こーゆーことして見つかったら、一生パーになるのがわからへんねんやろ。
どーせ金持ってるねんから、札束でなんとかしたらええねん。(あ、これも違法か!)

まー、僕もどちらかといえば(言わなくても?)ロリコンですが、「手鏡でパンツ覗きたい」って願望は無いなー。
いったい地位も名誉もなげうってでも見たいパンツって、どんなんなんでしょうねぇ。
やっぱ有名になるような人の頭の中は、ちょっと違うんでしょうか。。。
うーん。

March 31, 2004

「都市再生」を問う (岩波新書)

最近そこらじゅうに、タワーマンションという名の超高層マンションが、一杯建ってますよね。
たしかに、とってもカッコいいし、見晴らしも良くってステキだなと思うのですが、反面、あんなもんが自分の家の近くに建ったらたまらんよなー、と常々思っておりました。

実際に、我が香里園にも、とつぜん丘陵にカベみたいなマンションが建ちまして、自分の家からちょっと離れてるしまぁいいや、という気分にはさすがになりませんでした。
住宅地っぽくなくなるやんけ〜。ボケー!!

で、ちょっと興味があったので、手に取ったのが本書です。
規制緩和で容積率の規制が甘くなってるがために高層建築物がどんどん建っているという事実と、その規制緩和は、政官財の癒着によってもたらされているものであるということを、詳しく書いていました。
そして、住環境としての機能や、町並みの美しさを無視する政策に意義を唱える、という一冊です。

確かにおっしゃるとおり。
要は、住居地域と商業地域をごちゃ混ぜにせんと、ちゃんとまとめるものはまとめんかい!ということでしょう。
やはり民主主義国家に暮らす一有権者として、都市政策にも一言をもっておかねばいけませんね。
でも、そんな感想よりも、無性にSIM-CITYやりたくなってきてしまった。 (−_−;)
ここはガマンして寝なければ・・・。

March 28, 2004

歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」

あーっっっっ。悔しい。だまされたぁ〜っ。O(><)o ジタバタ

この「葉桜の季節に君を想うということ」は、昼はフィットネスクラブで体を鍛え、夜は女遊びに励む、探偵である主人公が、霊感商法絡みの殺人事件に巻き込まれ・・・というあらすじです。
筋を新聞の書評で読んで、「フィットネスクラブでちゃりんこ漕ぎながら読むには最適やん!」とおもって買ってきました。

「このミステリーがすごい」で1位。
「絶対だまされる」という前評判。

「けっ。そんな簡単にダマされるかよ」と思いながら読み出したはいいのですが、もののみごとにダマされました。
こりゃわからん。でもうまいわー。

これを読んで「俺は途中でわかったもんねー」って人、いるんでしょうか。
ダマされてみたい人ひと、そういうトリックを見抜くには自信があるぜって人にはオススメの一冊でした。

March 23, 2004

伊坂 幸太郎 「重力ピエロ」

そろそろピュア小説の世界から抜け出すかと思って、買ってきたのが「重力ピエロ
このミステリーがすごい」にも出てたので、久しぶりに伊坂幸太郎でも読むかと思って買ってきました。
こってりしたミステリーを期待していたんだけど、あらあら、これって小説やん。しかもかなりさわやか系。

全体は連続放火事件の謎を追うという筋なんだけど、主題は血縁とか家族のように思います。
最近、家族が主題の本が多いように思うんだけど、それは殺伐とした世情の反映なんでしょうか。それゆえについつい手が伸びてしまうだけなのか。

感想としては、もちろん、面白かった。サクサク読めるし。
まー、出張の新幹線の往復とかがいいかもしんない的なおもしろさでした。

March 15, 2004

佐藤正午 「ジャンプ」

今週の一冊は、佐藤正午「ジャンプ」。
がー、またこの手の本を読んでしまった。
探せばあるもんですね。こういう青春系小説とでもいうジャンルって。

筋は非常に面白かった。
酔っぱらって彼女の家に泊まりにいくのだけど、彼女がリンゴをコンビニに買いに行ったまま、そのまま失踪しちゃうって話し。その謎を追っていくんだけど、偶然に偶然が重なっていることに気づき・・・みたいな。
自分の身にも起こりえるような話なだけに、変な現実感があって面白かったです。

ただ文体が、あんまりにも村上春樹すぎるのが、かなりキビしい。
まあ、この年代の作家で村上春樹の影響が全く無い人なんて、稀なんだろうなとおもいつつも、句読点の振り方とか、登場人物の話し方とか、105回考えたりとかってところとか、とにかく全体的にやたらハルキってて、ここまでそっくりなのは、さすがにどーなんかなと思ってしまいました。
この人って、他の本もこんなんなんかなー?

March 03, 2004

盛田 隆二 「夜の果てまで」

たまたま京橋の紀伊国屋で手にとって買ってみた小説「夜の果てまで
盛田隆二という作家も聞いたことがなかったのだけど、なんとなく手にとって、なんとなく買ってしまいました。

あらすじは北大の4回生が、近所のラーメン屋のすっげーきれいな後妻と恋に落ちて駆け落ちするというはなし。結末が先に提示され、そこへ至る経緯を追う形式になっています。

ちなみにこれまでの経験からすると、この本や、先にでた大崎善生の小説みたいな、ピュア系恋愛小説を連続して手に取るときっていうのは、たいてい精神状態が荒んでるときです。
逆に、新書や社会問題系に手を出すときと言うのは、外向きの力が余ってるときかな。
そう思うと、やっぱり疲れてるんやなー。

で、肝心な小説を読んだ感想として纏めるならば、いい話しなんだけど、あんまりにもひたむきで打算のない世界が、羨ましくも遠い世界のように感じたというのが難点。
あ、やっぱり荒んでるんだ。。。

February 27, 2004

白石一文「見えないドアと鶴の空」

新刊が出たらだいたい買ってる白石一文。
不自由な心」や「僕のなかの壊れていない部分」といった作品でみられるように、人間のドロドロとした部分を真正面から描いきながら、愛や生の意味を問う作風が多いと思います。
最近では「一瞬の光」が文庫化されていて、こちらもなかなか読み応えのある本です。
僕が去年に好きになった作家の中の一人。
まあでも、かなり男の偏った立場が目立つので、なかなか女の子は受け付けないんだろうなー。

で、新刊「見えないドアと鶴の空」がでていたので早速買ったのですが、これが大失敗。
主人公が超能力を使い出したり、一貫して宗教めいた主張があったりして、宗教・超常現象・政治・マルチ商法への嫌悪感が強い僕には、全く受け付けられないものでした。
久しぶりに「ハズした〜」って気分。

うーん、次は何を読もう・・・。

February 24, 2004

大崎善生「聖の青春」

いやいや、また大崎を読んでしまいました。「聖の青春
大崎作品は殆ど読んでるくせに、出世作のこれだけは未読でした。
理由は簡単で、将棋がわかんないから。
でも、そんな理由で今まで後回しにしていたことを激しく後悔。
この本は、重い腎臓病を抱えながらも、不断の努力で名人を目指し、達成を目前に29歳で夭折した村山聖という棋士の一生を描いたノンフィクションです。
多少の脚色はあるのかもしれないけど、純粋さや必死さに、かーなり激しく胸を打たれます。
あれ?俺はどこまでがんばってるんだ?
と柄にもなく思わず自問するために、晩酌して寝ます。ん?(-_-)zzz

February 19, 2004

大崎善生「ロックンロール」

久しぶりの大崎善生の小説。「ロックンロール
大崎は「ドナウよ、静かに流れよ」を読んで以来のファン。
この人の小説に共通する主人公たちの生への真摯な姿勢と、選び抜かれたであろう言葉が織りなす文章の透明感が、とっても心地よくって爽やかな気分になれます。
なので、好戦的な気分のときは受け付けないのだけど、心に清涼剤が欲しくなったときは無性に読みたくなるのです。
この本もご多分に漏れず爽やかなパリを舞台にした恋愛小説。
主人公よりも、編集者の高井に感情移入しながら、とっても楽しく読むことができました。やっぱり大崎はいいなあ。
短編集の「九月の四分の一」でもツェッペリンが出てきたけど、よっぽど思い入れが強い様子。
一曲も聴いたことがないので、そのうち買ってみようかなと思いました。

「世の中には大きく分けて二通りの人間がいる。ガラス玉を丹念に磨き続ける人間と、粉々に壊さなければ気が済まない人間。」
あー、俺は絶対に後者だなぁ。